山梨の未来を切り開く

公益財団法人 山梨総合研究所 理事長 新藤 久和

 公益財団法人山梨総合研究所は、19984月の設立以来、「地域から未来が見える」をテーマに掲げ、産業界、自治体、大学等と連携し、自治体等の計画策定支援、自主研究・自主事業などを通じて、地域社会が抱える諸課題の解決に向けて調査・研究を進めてまいりました。 

 しかし、現下の社会に目を向けてみると、世界では保護主義・保守主義の台頭、個性的な政治指導者の出現、テロリズムの横行など、人類にとってかつてない難しい時代を迎えています。また、我が国においては、永らく経済成長が停滞し、政府の講じるさまざまな施策も地方にあってはその効果を実感できるほどには至っておりません。「新産業構造ビジョン」では、技術革新によってあらゆる構造的課題にチャレンジし、解決していくとされていますが、山梨県においても産業構造の転換が求められていることはいうまでもありません。 

  四書の一つである「大学」に「物に本末あり、事に終始あり、先後する所を知れば則ち道に近し」とあります。これまでは、「物」が注目されてきましたが、これからは「事」が中心的役割を担う「情報駆動型社会」が到来するといわれています。IoTAI、ビッグデータなどはその具体的なキーワードといえます。こうした観点に立って「ものづくり」をさらに高度化するとともに、「ことづくり」も合わせて、山梨の未来を切り開いていくことが必要だと考えます。

 幸い、山梨は「ものづくり」の産業とともに、世界文化遺産である富士山に象徴される自然にも恵まれています。また、多彩な歴史や伝統・文化に加え、リニア新幹線やオリンピック・パラリンピックなどの夢のある「事(話題)」にもあふれています。山梨総合研究所は、これらの価値を再認識し、地域と連携しつつ地域社会の発展に貢献してまいります。