観光施設どう集客 草取りで入場無料?


毎日新聞No.39 【平成11年5月13日発行】

~フラワーセンターで実験を~

 2月のよく晴れた日に、明野村にある県フラワーセンターに出かけた。最近は笛吹川フルーツ公園や愛宕山の県立科学館などミニテーマパークと呼べそうな施設が県内にも数多くできたので、家族連れで出かけるのも楽しい。
 現地は八ヶ岳おろしが吹き荒れる状況だったが、せっかく来たので入場した。しかし、屋外に花が一つも咲いていない。温室内はきれいな花が咲いていたからまあいいか、というところだが、屋外に客はなく、これで入場料が夏も冬も同じ500円というのはちょっとどうかという感じであった。

 屋外型の観光施設は、冬場は総じて人出が少ない。そこで各施設では、集客に知恵を絞る。たとえば、ホテルやゴルフ場などではオフシーズンに割引料金を設定している。県営丘の公園のゴルフ場もシーズン料金があるが、フラワーセンターでも同様な設定はできないだろうか。それが無理ならば、次回に使える割引券の配布とか企画してみたらどうだろう。県関係の各施設のスタンプを集めると景品がもらえるようなスタンプラリーも一案であろう。

 冬場に限ったことではないが、雨が降ったら半額なんていう企画はどうだろうか。また、ここから見る八ヶ岳、南アルプス、富士山の眺望は最高であり、山中湖のホテルには富士山が1日中見えなかったら宿泊料金を無料にするという企画がかつてあったが、こんなしかけも面白いのではないか(判定は難しいが)。一方、年間パスポートの取り扱いはできないだろうか。フラワーセンターならば季節ごとに違う表情が見られるはずであり、特に中高年の人たちはリピーターとして期待できよう。ついでに、雑草取りをしたら入場料を無料にするなんていうアイディアはどうだろう。

 営利企業ではないため、そこまでして集客する必要はないかもしれないが、民間ではできない実験としてやってみるのも価値があると思われる。不況に苦しむ観光業界の一助になるかもしれない。いろいろな試みができる施設である。

(山梨総合研究所主任研究員  村田俊也)