『Yafo Mag』VOL.4「100万世帯」


 新聞の1面を飾った生活保護世帯数である。増加傾向にあった生活保護世帯数が、ここ1年100万世帯を超えた状態にある。今はやりの格差社会という言葉も、このあたりを受けてのことである。ひとくちに100万世帯というが、これは47世帯に1世帯が生活保護世帯であることを意味する。
 10年前には、68世帯に1世帯であった。生活保護世帯の増加は、一般世帯の負担感の増大などを招き、社会の活力を低下させる。小泉政権の公約には、「小さな政府を実現し、個人が自由に活力を発揮できる社会」、「少子高齢化の中でも、国民の負担はできる限り小さく、国民の活力はできる限り大きく」というのがある。小泉改革の行き着く先が、社会の活力の低下と、それに伴う福祉国家的ないわゆる大きな政府ということになれば、なんとも皮肉である。

(主任研究員 藤波 匠)