『Yafo Mag』VOL.9「1日あたり610.5キロカロリー」


 わが国における可食部分の食品廃棄量(家庭分、いわゆる「残飯」)は、家庭においては国民1人あたり1日47.3グラムにも及ぶという。
 これはエネルギーに換算すると、国民1人あたり1日610.5kcalとなる。成人1人あたり1日約2,000kcal摂取すればよいので、この610.5kcalというのは、1日に要求される摂取カロリーの約3分の1に相当する。
 平成17年度の我が国におけるカロリーベースの食料自給率は約40%で、必要なカロリーの約3分の1が廃棄される――このことは、かなりの量の食糧を輸入しているにもかかわらず、捨てているということに他ならない。
 過去、鯨をはじめとして素材を余すことなく使いきり、「いただきます」、「ご馳走さま」という言葉に象徴されるように、食べ物への感謝を忘れないのが日本の食文化ではなかったか。学校などを中心に現在進められている「食育」だけでなく、われわれの「生き方」を見直す時が来ている。

(主任研究員 家登 正広)