『Yafo Mag』VOL.11「81.0%」
2000年度のわが国における、病院で亡くなる方の割合である。
オランダ35.3%(1998年)やスウェーデンの42.0%(1996年)に比べるとその比率は、格段に高い。
さて、健康保険法等の一部を改正する法律により、75歳以上の高齢者(後期高齢者)については、その心身の特性や生活実態等を踏まえ、2008年4月より独立した医療制度となるが、これに先立ち、この新医療制度について議論する特別部会が厚生労働省内に立ち上がった。
新制度導入予定の2008年度における後期高齢者医療費は、およそ11兆円あまりと見込まれるが、財源構成は患者負担を除き、公費(約5割)、現役世代からの支援(約4割)のほか、高齢者から広く薄く保険料(1割)を徴収し、このうち、現役世代からの支援は、国民健康保険(約4,200万人)、被用者保険(約7,100万人)からの負担を見込んでいる。
この新制度については、地域の主治医による、在宅患者に対する日常的な医学管理から最期の看取りまでの一貫した対応、つまり在宅医療重視型となることが検討されている。
この背景には、無駄な診療を減らすことによる、現在の膨大な医療費削減のねらいがあるが、都市部だけでなく地方であっても、また、高齢者だけでなく若い世代についても、生活の質が下がらないような医療のあり方について、今後広く議論されるよう望みたい。
(主任研究員 家登 正広)