『Yafo Mag』VOL.21「40.7%→54.8%」
今年8月、内閣府により「森林と生活に関する世論調査」が実施された。
H15調査と比較すると、「森林づくりのためのボランティア活動への参加意向」が、40.7%から54.8%に上昇している。この背景として、森林の地球温暖化防止効果や水資源のかん養など、森林の多面的な役割に対する理解が深まっていることや、企業が社会貢献活動として森づくりへの関心を高めていることが考えられる。
このような中、山梨県において、任意団体として「やまなし森づくりコミッション」が設立された。その設立趣意書には、県民、流域住民、企業、団体等による森づくり活動を支援することが明記されている。県土の約8割が森林である本県にとって、その活動は大いに期待されるところである。
しかし、市街地、特に甲府市街地の樹木緑被率を調べてみると、4.2%と全国平均(15.0%)に比べかなり低い状況にある(「平成15年度 緑の現況調査」及び「1997 第4回自然環境保全基礎調査・植生調査」)。甲府盆地からは緑豊かな山々が見えるため、日常生活の行動範囲内で緑不足を感じることはない。
しかし、森林県として、あるいは本県の顔ともいうべき県都として現在のような景観ではあまりに寂しい。市街地においても、行政民間が一体となり、「体で直に感じる緑」を広げる必要があるだろう。
(研究員 斉藤 七二)