『Yafo Mag』VOL.25「95名の市民プロデューサー」


 「長崎さるく」という言葉を知っていますか?
 この言葉は、日本ではじめて行われたまち歩き博覧会のことです。
 独特な言い回しである「さるく」とは、「まちをぶらぶら歩く」という意味の長崎弁であり、歩きながら長崎の観光や見聞を深めるというものです。
 これまで2回行われており、次回は2月7日から行われる予定です。
 1回目の「長崎さるく」(当時は長崎さるく博)は、平成18年4月から9月まで行われ、1,023万人が参加しました。この博覧会において、95名の市民プロデューサーが活躍し、ガイド育成や関連イベントの企画などを行いました。
 この博覧会を、単なる町歩きイベントと思ってはいけません。というのも、博覧会というプロジェクトを行うことで、「多様な能力を有する人材が創出されるシステム」として、位置づけされているからです。実際にこの博覧会を通じて、ノウハウを得た市民が他地域の人材育成の講師役やまちづくりの相談役としても活躍しています。
 地域が活性化する大事な要素に「人材」があります。しかし、人材育成は非常に難しく、研修を行っても、目立った成果がでないものです。
 このように、プロジェクトを通じて人材育成を図るシステムを、山梨においても、是非定着させたいものです。

(研究員 斉藤 七二)