『Yafo Mag』VOL.34「213,000人」
先月、富士スピードウェイ(静岡県小山町)において開催されたF1日本グランプリの大会期間中の延べ入場者数である。開催地に隣接している富士五湖周辺では期間中、旅館やホテルが満室となりF1効果が表れた。一方、宿泊施設以外の観光業は、日中、F1客が会場に行ってしまうため、F1効果が小さいことがわかった。
そのため、会場へ行けないファンや観光客、地元住民が県内で気軽に応援できるような取り組みが必要ではないか。また、次回から三重県鈴鹿サーキットとの隔年開催が決定しており、来年の宿泊客の減少が懸念される。次回の大会に向け、F1に関連した誘客のイベント戦略も必要となる。
サッカーやオリンピックなどの大会では、現地へ行けないファンなどのために、スタジアムや街頭などにある大型スクリーンを利用して観戦を行うパブリックビューイングを開催している。パブリックビューイングは、誰もが気軽に参加でき、ファンや地元住民が交流することにより今後の観光振興にもつながるイベントである。
F1には、強力な集客力がある。既に本県は、F1観戦客の宿泊地となっており、その恩恵を受けている。そこで、さらに誰もが気軽に応援できる場も提供することで、さらなる観戦客を呼べるのではないだろうか。F1が本県の貴重な観光資源となり、富士周辺の親しみやすいイベントとなって欲しい。
(研究員 野崎 三則)