『Yafo Mag』VOL.39「利用率1.6%」
甲府都市圏交通実態調査による鉄道の利用割合である。これに対し、甲府都市圏(甲府市・山梨市・韮崎市・南アルプス市・甲斐市・笛吹市・中央市・市川三郷町・増穂町・昭和町)の交通手段分担率での自動車は69.0%、バス1.2%、二輪13.6%、徒歩14.6%となっており、自動車の利用率が最も高く、日常生活において重要な交通手段となっている。
鉄道やバスの利用者は、甲府市中心部の駐車場不足による通勤手段、自動車免許を持たない学生の通学手段が大半となっており、県内の交通網の現状や自動車の利便性を考えると、日常生活の交通手段として鉄道やバスなど公共交通の利用は難しい状況となっている。私もこの春から電車通勤を始めたが、渋滞がないといった快適な一面はあるものの、本数が少ないことから、通勤以外はやはり自動車が主な移動手段となっている。しかし、今後予想される高齢化社会では自動車を運転できないお年寄りの増加が見込まれ、また環境に配慮した街づくりに欠かせないCO2削減など公共交通へのニーズは利用率に反して高くなる。将来ますます高くなる公共交通へのニーズに応えるためには、パークアンドライドやコミュニティバスの整備、既存交通網の利便性向上など課題は多い。しかし自動車に乗らない人も気軽に外出できる、そんな魅力的な公共交通網が整備されることに期待したい。
(研究員 三枝 万也)