『Yafo Mag』VOL.46「連続300億円割れ」
JA全農やまなしが報道発表した山梨県内産果実の平成21年販売額は、11月末時点で270億4218万円と、2年続けて300億円を割り込み、過去最低だった前年度をさらに下回る見通しだという。
春から夏の天候不順により主力であるモモの出荷量が減ったことに加え、消費不況で嗜好品である果実の需要が落ち込み取引単価が低迷したのが要因という。こうした外的要因に加え、産地を担う農業従事者の高齢化とリタイアも年々深刻化し、ブランドをゆるがせているようだ。
JA全農やまなしでは、今年の夏期間限定ながら新宿サザンテラス内で「やまなし桃カフェ」を開設し、ピーチパフェなどの新作スイーツ、ピーチカクテルなどで女性の人気を集めたという。
ならば、果樹産地の魅力アップと収入確保のアイデアとして、県内産地で桃カフェを企画化して、フルーツツーリズムを売り込んではどうだろうか。既に峡東のJAフルーツ山梨ではCA(炭酸ガス)冷蔵による果実の通年供給システムとあわせ、フルーツ加工体験ができるフルーツセンターの整備を検討している。こうした試みによる産地のブランド力アップが出来れば、新規就農者の確保にもはずみがつくのではないか。
(主任研究員 井尻 俊之)