『Yafo Mag』VOL.50「7年に一度」


 長野県諏訪大社の御柱祭といえば勇壮な祭りとして有名であり、今年も全国ニュースで盛んに放送されていた。実はこの御柱祭が県内でも行われている。
 南アルプス市上今諏訪、下今諏訪にある諏訪神社上社と下社で寅年と申年に開催される。長野県の諏訪大社で行われる御柱祭と比べると規模は小さいが、華麗な衣装の行列と勇ましい木遣唄などは、伝統を受け継ぐ見ごたえのある祭典である。
 数えで7年に一度開催されるこの祭りは、地域の伝統であり、誇りでもある。
 近年、各地区で行われているステージショー等を中心としたイベントは予算や参加者の減少により存続が難しくなったものが多い。しかし、地域の伝統行事といわれる祭りなどは担い手不足といった話を聞くことも多いが、地元の熱意でしっかりと受け継がれている。南アルプスの御柱祭も子供からお年寄りまで大勢が参加し、大変な賑わいであった。
 県内には他にも歴史や伝統のある祭典がまだ数多く残されている。地域の連携や活性化が叫ばれる今こそ、住民参加型の地元の祭典に目を向けてはどうだろうか。長い歴史を持つ行祭事ほど、地域の愛着が色濃く残されているはずである。
 かつて五穀豊穣や無病息災を祈願し住民の娯楽の一種でもあった祭りは、現代の地域づくりにも十分な可能性をもっている。住民の連帯感や地域の活力アップのためにも、地域の祭典は守っていかなければと思う。

(研究員 三枝 万也)