目指せ、地域の「日本一」


毎日新聞No.317 【平成22年7月9日発行】

  「地域に愛着をもっていますか」と質問されたら、読者のみなさまは、どう答えるであろうか。ある会社が実施した興味深い調査結果を紹介したい。これは、全国約8万人が回答した「住んでいる都道府県に愛着を感じるか」というアンケート調査(ご当地調査-リクルート調べ)である。「地元にとても愛着を感じる」と最も多く回答したのは沖縄県であった。では、気になる山梨県は、35位と残念な結果となった。これを単にアンケート結果として片づけてよいだろうか。
  地域に愛着を感じるほど、地域づくり活動に熱心な傾向があるという研究成果がある。このことからも、地域に対して愛着心が足りないということは、住みよい地域にしていこうとする地域コミュニティーを脅かすことにもなりかねない。

  それでは、地域に対する愛着心を醸成するにはどうしたらよいのだろうか。その答えは「日本一」というキーワードに隠されている。
「夕日日本一のまち」など、お国自慢を全国に向けて情報発信している自治体がある。また、逆転の発想で「日本一暑いまち」という、マイナスイメージを逆手にとってPRしている自治体もある。このように日本一やオンリーワンを掲げての地域づくりが各地で行われている。この目指すところは、他の地域との差別化を図ることがねらいである。しかし、かけ声だけで終わっている自治体があることも否めない。
  この地域づくりの手法は、達成することだけが目的ではない。住民や行政などが一体となって地域特有の資源を地域づくりに活かしていく取り組みである。この取り組みを通して、連帯感が芽生え、地域への愛着心をはぐくむことにもつながるのではないか。
  この日本一やオンリーワンは都道府県や市町村だけが目指すものではない。私たちが住んでいるより身近な地域での「日本一」があってもよいのではないか。例えば、花いっぱい運動は、どこの地域にも負けないなどの気運の高揚などである。そうなれば、住んでいる私たちが、地域に愛着を感じ、誇りをもてるようになるはずである。

  キラリと光る地域資源を見つけて、地域住民の心をひとつにつなぐ地域の宝に育ててみませんか。

(山梨総合研究所 主任研究員 村松 公司)