VOL.4「B-1第1位」


 9月に開催された第5回B-1グランプリで、甲府鳥もつ煮が第1位となった。以来、甲府地域は近年まれに見る盛り上がりをみせている。鳥もつ煮の看板やのぼりが目立つようになり、夕方ともなれば鳥もつ煮の匂いで、ついつい家路が遠くなる方も多いのではないだろうか。
 テレビや新聞紙面を賑わすだけでなく、スーパーやコンビニの惣菜にも登場するなど、かつては蕎麦屋で食べていた鳥もつ煮が家庭の食卓にまでに一気に広まった。鳥もつ煮を提供する店には県外からも観光客が訪れ、大変な賑わいを見せている。B-1グランプリの先進地である厚木では3ヶ月で30億円もの経済効果があったという。甲府にも同様の効果が期待され、甲府市職員の有志が目指した街おこしのきっかけが見事に誕生した。今後も鳥もつ煮を求めて、多くの観光客が予想される。優勝により街おこしのスタートを切った甲府地域は、一過性のブームではなく継続的な展開が求められる。
 甲府鳥もつ煮がグランプリを得たのは味だけでなく、お客様へのおもてなし(ホスピタリティー)が優れていたとの意見もある。鳥もつ煮という甲府へ観光客を引き込む仕掛けができた、鳥もつ煮目当てで訪れた観光客をいかに満足させていくか、関係者の方の努力の結晶を県民が活用しさらに発展させていく事が重要となる。

(研究員 三枝 万也)