VOL.19「山梨県内新成人数9,862人」
全世界では人口が増え続け、2011年10月末には70億人を突破したらしいとのニュースにも接した。人類の誕生から人口が10億人になるまでは10数万年もかかったにもかかわらず、60億人になったとされる1998年から10億人増えるのにたった13年しか経過していない。これはまさに「爆発的」な人口増加と言わざるを得ない。
その一方で、日本はすでに超高齢社会が到来しており、少子化ともあわせた人口減少社会が始まっている。他の全ての国で人口が増加しているはずもないのだが、日本と世界のあまりにも対極的な趨勢に不安感を新たにしてしまう。そこに来て4年連続の減少であり、記録上最少である山梨県内新成人数9,862人である。彼らは停滞する経済情勢や就職難に直面している。確かに憂慮すべき現状だろう。
しかしながらその現状は、物事の単なる一面に過ぎないと思いたい。変化は「量」だけではなく、「質」にも起きている。社会や地域に貢献したいという「若いし」は増えているし、東日本大震災を契機にさらにその気持ちは強くなったはずだ。
あるインターネット調査によると、全国で回答した新成人500人のうち8割近くが「自分たちの世代が日本を変えていきたい」と考えているとのこと。右肩上がりの成長を知らない「今の若いし」の考え方は、今後の日本をどうデザインしてみせるのだろう。
(研究員 赤沼 丈史)