VOL.22「4月以降の山梨県内介護保険料月額24%値上げ」
県内介護保険料は、平成24年4月から月額平均で4,910円となり、介護保険制度が開始された平成12年度(2,213円)と比較して倍額を超えることになった。値上げ幅の「24%」とは963円に相当している。
消費税や電気料金、ガソリンなど値上げに関する話題は事欠かない。高齢者人口やサービスの受給回数など「量」の増加に伴う保険料「額」の値上げは不可避なのだろうから、せめてサービスの「質」向上による満足度を向上させて、全体としての妥当感や納得感を確保したい。
しかしながら、現場は容易ではない。介護関連の業務に従事している担い手は慢性的に不足していて、人材難の傾向が続いているからだ。離職率も高く、経済連携協定(EPA)に基づく外国からの人材も受け入れが開始されるなど、人材確保こそ最も高いハードルとなってしまっている。
その一方で、これまでの日本を支えてきた製造業における大企業では大規模な人員削減策が発表されている。歴史的な円高も継続しており、海外流出などによる産業の空洞化は歯止めが効かなくなっている。
求められているのは安定した雇用ばかりではない。「介護を通じたまちづくり」とも言うべき付加価値(=「質」)の高い世代間交流の模索ではないだろうか。
(研究員 赤沼 丈史)