VOL.26「2011年の世界の再生可能エネルギー発電量、前年比17.7%増」
英石油大手BPの統計によるもので、これは8年連続となる2桁の伸び。発電量は過去最高の8,608億キロワット時となった。特に米国やドイツなど欧米の発電量は前年比10~30%台と大幅増となっている。
ただ再生可能エネルギーが世界のエネルギー消費に占める割合は2%強にすぎず、原子力による発電量は減少しているものの、全体の87%は石油や石炭などの化石燃料に依存。日本の再生可能エネルギー発電量も前年比3.8%増と伸び悩んでいる。
ところで共同通信社の報道によると、企業や自治体などの大口向けに電力を販売する新電力(特定規模電気事業者)の届け出件数が、1年弱で4割増え、64社(撤退を除く)に達したそうである。電力事業の自由化拡大をにらんだ新規参入が加速している形だが、7月に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度も追い風になっているという。
山梨は古くから早川水系、笛吹川水系などで水力発電が行われているほど水資源が豊富なほか、日照時間が長く晴天が多いとされ、山間部を中心に太陽光パネルを設置可能な広い敷地が存在する。原発の安全性や化石燃料の枯渇への不安、温室効果ガスによる地球温暖化などさまざまな問題が指摘される中、発電効率や送配電などの課題はあるだろうが、山梨の自然を活かした再生可能エネルギー発電は近い将来、新電力ビジネスにつながっていくのかもしれない。
(主任研究員 河住 圭彦)