VOL.27「-3.8%」
平成24年都道府県地価調査(基準地価)における、県内全用途平均価格の対前年比変動率。
先ごろ、山梨県内の「基準地価」が公表された。住宅地の変動率は-3.6%、商業地は-4.2%となり地方圏平均の変動率(住宅地-3.2%、商業地-4.1%)をそれぞれ0.4ポイント、0.1ポイント下回る結果となった。
”まちの魅力を映す”ともいわれる地価。県外に目を転ずると”別荘地のブランド力」による地価上昇”の事例として長野県軽井沢町(町内のある基準地では対前年比2.0%の上昇)が同調査とりまとめ(国土交通省)の中で紹介されている。
冷涼で耕作に適さない火山の麓、寂れた街道筋という土地柄であったが、東西を結ぶ鉄路の早期開通が求められた明治の時代背景と、それに伴う外国人知識層の流入が当地を別荘地として世に出すきっかけだったという。
その後も長きにわたり善良健全な風土を守る取り組みを続け、今日では新幹線開通によるアクセス向上を取り込むことで、「ブランド力」を高めている観がある。
本件においても「中部横断道」「リニア」ときっかけの種はある。地域を見つめ、機をとらえ、着実に取り組むことで、”ひと未来”、”ふた未来”先のまちの魅力が作られていくことを期待したい。
(研究員 佐藤 史章)