VOL.32「灯油値上がり、4年4カ月ぶり1800円台」


 2月も終わりだというのにまだ寒い。朝や夜、下手をすると昼間にも家庭でストーブや温風ヒーターが必要だ。6人家族のわが家は風呂を加熱し直す回数も多く、ボイラーのタンクや買い置きのポリタンクの灯油はあっという間になくなる。冬は安売りの灯油を買いに出掛ける回数が多くなり一苦労である。
 その灯油が値上がりを続けている。経済産業省資源エネルギー庁が発表している山梨県内の灯油の店頭価格(18リットル)は、昨年11月12日時点から値上がり。12週連続の値上がりとなった今月12日時点では1807円となり、2008年10月27日以来4年4カ月ぶりに1800円台となった。25日時点では値上がりは止まったものの、1810円となっている。09年5月11日時点では1069円だったのだから、この上がり方はたまらない。
 値上がりの原因は、世界経済の回復期待から原油相場が高止まりしているところに、安倍政権の「アベノミクス」による円安が拍車を掛けているためとされる。当然、ガソリンや軽油も値上がりの真っ最中。しばらくは続く可能性があり、家庭や企業などが受ける負担は大きいだろう。
 さて灯油価格だが、1リットル当たりの価格で見ると現在、約100円。これは毎日の晩酌で愛飲する「第3のビール」350ミリ缶1本のまとめ買い単価とほぼ同額である。晩酌を1本減らせば1リットルの灯油が買える。18日間減らせば1タンク買える。家族からそんな「仕分け」をされる前に、早く暖かくなるか灯油価格が下がるかしてほしい。そう願う毎日である。

(主任研究員 河住 圭彦)