VOL.34「5年間・1人1口座で長期投資」「年間100万円の 新規投資非課税枠」~日本版ISAの導入に向けて


 平成25年度税制大綱に日本版ISA(少額投資非課税制度)の導入が盛り込まれ、平成26年1月1日の正式取扱開始を前提に各地・各方面で準備が進んでいる。
 制度のポイントは銀行・証券会社等の金融機関に開設する「非課税口座」を通して毎年100万円までの新規に購入する株式・株式投資信託に係る売却益・分配金が口座開設から最大5年間非課税になること、100万円の枠は年間使い切りで繰り越しができないなど、長期の投資に適した制度設計である、というである。(※)
 もっともこの口座に預けられる金融商品には値動き(元本割れの可能性)があるものがほとんどである。相場を追えば「天井掴み底たたき」ともなりかねない。
 かたや日々の勤めで得た”稼ぎ”を何種類かの資産(現預金・車・不動産・・・)の形で、持ったり、使っていたりしていること、また、それぞれの資産にはそれぞれ得手不得手があるのもご承知のとおりである。
 稼ぎをどういう姿で(資産)で保有するかに関して、選択肢と知見が広がっている今日、稼ぎの”置き方”を改めて考えるきっかけとして”日本版ISA”をとらえてみてはいかがであろう。

※詳細は財務省 (http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian13/zeiseian13_01.pdf 発行時点では「案」)、金融機関からの情報にてご確認ください。

(主任研究員 佐藤 史章)