VOL.35「2200万件のヤフーID 流出の可能性」
ネットは人並みにしか使っていないと思っているが、それでも各種サービスのIDとパスワードを使い分けるのは一苦労である。ヤフーやグーグル、ツイッター、クレジットカード、ネットバンク、ショップなど、それぞれにIDとパスワードがあるので、どれがどれやら分からなくなる。パソコンの自動登録はあるが、他の端末で使うときに覚えていないと困る。紙に一覧表にして書いておけば便利だが、それを紛失したらまた一大事だ。
先日、スマホでヤフーを開いたところ、「(5月)16日夜に不正アクセスがあり、あなたのIDは流出の対象になっています」との主旨の表示が出て驚いた。発表によると、流出した可能性があるIDは2200万件で、うち148万6千件は暗号化されたパスワードなどが流出した可能性があるという。流出情報だけでログインすることは不可能だそうだが、自分が知らないところで何かされるのではないかと、薄気味悪い気分になる。
流出ではないが、筆者はツイッターの「なりすましダイレクトメッセージ(DM)」(いわゆるフィッシング)に引っかかり、アカウント(ID)を乗っ取られたことがある。なんとか取り戻したものの、自分のアカウントからフォロワー(登録相手)全員に迷惑DMが送られていて、お詫びを繰り返す事態になった。
そういえば今月24日、国民に番号を付けて年金や納税の情報を一元的に管理するマイナンバー法が成立した。2016年からスタートする。いわば国が扱う新しい個人IDだ。先行して導入されている韓国ではネットでの番号大量流出、アメリカでは「なりすまし」不正利用が多発するなど問題が起きているらしい。日本では徹底した番号管理がされ、「あなたのマイナンバー情報が流出しました」などという連絡は絶対に来ないと信じているが…。
(主任研究員 河住 圭彦)