VOL.42「20年ぶりの値上げ」


 消費税率の引き上げに伴い、公衆電話の市内通話が20年ぶりに実質値上げされるそうだ。10円での通話時間が、60秒から57.5秒へと2.5秒短縮されるとのこと。このニュースを見て、そういえば最近あまり公衆電話を見かけていない、どこに設置されていただろうかと考えてしまう。
 携帯電話の普及に伴う影響だろうが、街角に多数設置されていた電話ボックスもほとんどが撤去されてしまった。NTT東日本の公衆電話に関する資料によると、全国で昭和59年度末に93万4903台あった公衆電話(NTT西日本含む)は、平成23年度末には23万1038台へと、4分の1以下に減少している。
 このうち、社会生活上の安全や戸外における最低限の通信手段を確保するため設置が義務付けられている第一種公衆電話は、NTT東西合わせて10万8655台。設置義務のないこれ以外の第二種公衆電話は、今後も減少を続けることが容易に想像できる。
 かつて一世を風靡したテレホンカードなんて、今の若い世代は知らないのだろう。時代の流れなのだろうが、そう思うと少し寂しい気分になった。

(研究員 岡 浩之)