来年こそは倍返しでリベンジだ
毎日新聞No.403【平成26年1月10日発行】
1月2日、3日と第90回東京箱根間往復大学駅伝競走が開催された。
東京箱根間217.9キロを10区間で往復するこの大会は、関東学生陸上競技連盟が主催する関東のローカル学生駅伝ではあるが、本大会は23校が参加したこともあり、230人もの選手が出場したことになる。各校のエントリー選手を含めると、366人(各大学16人で神奈川大学のみ14人)の選手、またメンバーに入れなかったその数倍の部員それぞれに背負っている物語がある。それに90回という長い歴史に込められている様々な物語が重なり、見るものの心を熱くする。また風光明媚なコースを舞台に、各参加校の名誉をかけ、優勝を狙うチーム、次年度の大会への出場権(シード権)を狙うチームが入り乱れる。極端に言えばランキング1位の選手から230位の選手までを区間配置する戦略性もある。まさにスポーツに必要なコンテンツが全て揃っている。そのためか、沿道には100万人の観衆がつめかけテレビの平均視聴率は25%を超えるなど、まさに世界最大級の学生スポーツの祭典と呼んでも過言ではない。
今回、山梨学院大学は2区の選手が疲労骨折のために途中棄権となったが、それまでの激しい努力による結果であったのだろう。責められることではない。それ以上に2区途中棄権を受け、2区以降の記録が参考記録になろうとも、必死に走り続けた他メンバーの健闘をたたえたい。箱根駅伝は歴史の継走として来年も再来年、そしてその後も続くであろう。まさに次につながる走りを各選手がしたのではないだろうか。
今大会、ある大学の監督が、「この大学に来てくれてありがとう。今まで本当に良く頑張った。」という声を選手にかけていた。
山梨学院大学の中にも、数多くある進路先の中で、山梨の地を選び進学してきた選手が多くいるであろう。今後もこの山梨で絶え間ない努力を積み重ね、選手として人間として大きく成長してもらいたい。
その結果として、来年の大会には、山梨学院大学が最初に大手町に戻って来ることを期待したい。
(山梨総合研究所 主任研究員 古屋 亮)