VOL.46「6園 山梨県内の「認定子ども園」の数(※)」
平成27年度の「子ども・子育て支援新制度」の本格開始にあわせて、県内自治体では準備が進んでいる。新制度はさまざまな環境にある親のニーズをくんで、子どもを生み育てやすい環境を作っていくことを主眼とし、その受け皿のひとつが、幼稚園のような幼児期の教育機能を持ちながら、3歳未満の子どもも預かることができる「認定子ども園」である。県内の保育園は232園(※)、幼稚園は62園(※)だから、現状の設置数はまだまだ少ないといえよう。
従来の幼児期の教育・保育については、制度と親のニーズのミスマッチが指摘されていた。具体的には、保育園には「保育に欠ける」(親の就労・病気等で子どもを保育できない)状態でないと子どもを預けることはできないこと、幼稚園は幼児「教育」施設であるがゆえに預かり時間が短めであり、就労しながら子を預ける親のニーズに添いにくいこと、幼稚園がない地域では保育に”欠けない”子どもは保育園へは入園出来ず、同年代の子どもとの社会生活の機会が小学校入学まで得られないということ、などである。
こうした状況の解消に向けて、認定子ども園には一定の役割が期待されている。とはいえ、他方では年少人口の減少が見込まれており、費用対効果を考えれば、単に施設を増せば問題が解決するというものでもない。新制度ではこの分野への市町村の関与が従来よりも強化された形となっている。これをひとつの契機に、「子どもの元気が地域の元気に」なるような、質の高さを主眼に置いた当地流の制度運用のあり方について知恵を絞りたい。
(主任研究員 佐藤 史章)
※出所:認定子ども園については県子育て支援課サイト、保育園については厚労省「保育所関連状況取りまとめ(H25)」、幼稚園については(公財)山梨県私学教育振興会幼稚園グループサイトによる。いずれもH26.4.23閲覧。