VOL.52「307年前 富士山・宝永の噴火が発生」


 御嶽山の痛ましい噴火を受け、改めて、火山としての富士山に注目が集まっている。
 朝起きれば、美しい富士が見える生活、自然資源や観光資源として、山の恵みに浴する生活の前提は、3世紀以上続く「穏やかな富士」なのだ。
 とはいえ、人間にとって「避けたいタイミング」であっても、自然は容赦しないということを、ここ数年来、ここ1ヶ月余で思い知らされた観がある。
 宝永の噴火は、富士山の直近の大規模噴火として知られるが、冬に向かう旧暦11月に起こった。青みの薄まる晩秋の空の下、我々は「荒ぶる富士」とともにあることを思い起こしたい。

(主任研究員 佐藤 史章)