積極思考で明るい未来を
毎日新聞No.428【平成27年1月9日発行】
物事の捉え方は、人により様々です。ある事象をどの角度から見るかにより、ぜんぜん違って見えます。どれが正しいというわけではありません。
新しい年が始まりました。皆さん、今年は、物事を明るく見える方向から捉えてみる、ということに努めてみませんか。物事を歪めて見る、ということではなく、何でもかんでも肯定的に見る、ということでもありませんが、こうした積極思考は、世の中がうまく回っていく、心豊かな生活が送れるひとつのヒントではないかと思うからです。
景気は、近年ない人手不足の状態にあり、過去最高益の企業も多く見られるなど、短期的な視点はともかく、基調としては回復局面にあるといいます。一方、円安のデメリット、地方や中小企業、個人の暮らしへの景気回復の波及の遅れなどから、まだら模様の状況にあるというのも事実です。
消費者の皆さん、1年前と比べて生活は苦しいですか。消費税率が上がり、生活を切り詰めなければいけない、という声を聞きます。現実に厳しい生活を余儀なくされている方もいます。消費税率の引き上げは、収入以上に支出してきた「借金」の返済に手をつけざるを得なくなったということが背景です。でも、見方を変えれば、将来の社会保障の充実であり、自分の子供世代、孫世代の負担の軽減です。「明るい未来のための取り組み」と考えませんか。
若者の皆さん、投票に行きましょう。今年は、身近な選挙が目白押しです。政治に期待しないという声も聞きますが、投票に行かなければ、社会の仕組みは投票に行く高齢者の意向が強く反映されて、自分たちの望まない方向に進んでしまうかもしれません。「社会を変える」。投票は自分たちが描く理想の社会を創造する最も重要でかつ簡単な行動です。
企業の皆さん、為替水準の変動はあえてチャンスと捉えましょう。円安になると原材料価格が上がって赤字になる、円高になると国内が不況になって物が売れない、という思考では、「じゃ、どうなればいいの?」と聞きたくなります。変動相場という現実を社会に変化をもたらす好機と捉え、知恵を出しましょう。
物事をポジティブに考える。積極思考に切り換える。これが、一般市民にとって、景気を良くし、社会に好循環をもたらすキーワードとなりましょう。
(山梨総合研究所 専務理事 村田 俊也)