VOL.55「5ヶ所」
県内の「羊」にまつわる町丁名(大字)
未年を迎え、昨年に引き続き、県内にはどれほど「羊」にまつわる地名があるのだろうと思い、調査(※)した結果が標記のとおりである。
「羊」「未」そのものが入った地名は見当たらなかったものの、部首まで広げた結果が次のとおりである。
「美」:美咲(甲府市)、加賀美(南アルプス市)
「善」:善光寺(甲府市)、(上・下)善之木(道志村)
「遅」:遅沢(身延町)
上の2字は羊に「よきもの」を見ているから、読者のご存じの通り良い字義となる。「遅」はというと、羊のしっぽ(尸)を見ながらゆっくり歩く(?)との解し方もあるそうだ。行く先を遮るものが、もこもこの毛を揺らす羊の群れだったら、なんとなく自分もその歩みにあわせようというのが、当時の感覚ということか。
現代では「遅れ」にとかく目くじらを立てがちではあるが、そんな様子を「遅」の生みの親は「余裕が足りないんじゃないの~?」とほのぼのとした口調で言いそうだ。
※資料:平成24年経済センサス-活動調査、町丁・大字別集計
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001050710&cycode=0
に掲載の町丁・大字をもとに筆者が集計
(主任研究員 佐藤 史章)