優勝目指せ ヴァンフォーレ甲府
毎日新聞No.440【平成27年6月26日発行】
ヴァンフォーレ甲府(以下VF甲府)が4年連続のJ1残留に向けて調子を上げてきている。
第11節(5月10日)の湘南戦に敗れた時点では、勝ち点6の最下位に沈んでいた。
それまでは堅守速攻を特徴としていたVF甲府の戦い方が全くできておらず、堅守が崩れ、速攻に持っていけない中では、今年のJ1残留は厳しいと言わざるをえなかった。
その後、監督の交代を経て、監督交代後の12節から前節までをみると、VF甲府の戦績は4勝1分となり勝ち点を19までに伸ばしている。この間、J1の中で最も勝ち点を多く積み上げたのは上位3チームの浦和、広島、大阪ではなく、VF甲府である。前監督が目指した方向性と現監督の方向性がマッチしたからか、いずれにしても、VF甲府本来の戦い方ができている中で、昨シーズンよりもボールが速く動き、選手も気持ちが入った良い戦いをしている、そんな印象がある。
現在のJ1の順位でVF甲府より下位チームをみても、またJ2をみてみても、優勝経験があるチームやホームタウンがVF甲府よりもはるかに大きなチーム等が多くある。VF甲府よりはるかにビッグクラブであっても、J2での戦いですら苦戦しているチームもある。その中で、甲府は3年連続でJ1での戦いを続けている。
今年のJ1は、前後半戦で行われ、前期の優勝チームは浦和で決定しているが、後期には再度優勝を目指した戦いが始まる。まだ前期を1節残しているが、良い形で終え、ぶれないVF甲府の戦い方を続けながら、後期では優勝戦線に加わる戦いをみてみたい。今の戦い方であれば、十分に可能だと信じている。
週末、ふと街に出ると、甲府市に限らず県内のいたるところでVF甲府の結果の話をしている老若男女を目にする。選手個人というより、チームとしてVF甲府を愛している市民、県民の多くの姿がそこにある。
特徴ある戦い方とともに熱い声援をバックにして、地方の雄として全国のトップステージで存在感を発揮する。VF甲府の戦いはまさに本県そのものの特徴でもある。後半戦も大いにJ1を盛り上げてもらいたい。頑張れVF甲府。
(山梨総合研究所 主任研究員 古屋 亮)