VOL.62 「0.4%→1.0%」
9月18日(金)~10月11日(日)まで韓国忠清北道ケサン郡で「2015国際オーガニックエキスポ」が開催される。オーガニックは国際的にも広がりを見せており、我が国においても「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(1999年)」、「有機農業推進法(2006年)」などの法整備、「農業環境規範策定(2005年)」、「農林水産大臣が定める有機農業の推進のための基本方針(2007年)」(以下基本方針)、などの制度整備が進んでいる。この中で、2014年に定めた新たな基本方針では今後5年間で国内全耕地面積に占める有機農業の耕地面積を1.0%(現状は0.4%)にすることを目標として掲げた。面積では30,000haになる。これらを受けて、現在都道府県も推進計画を策定し、取り組んでいるところである。
推進のためには様々な方向からの施策が必要になる。慣行農業からの転換支援、研修・情報提供、技術体系の確立、販路開拓など取り組む内容は広く、深い。
有機農業の基礎データ(2010年)を見ると、①農業従事者全体では60歳未満が26%に対し、有機農業者だけを抽出すると47%になる。また、②新規就農希望者では、「有機農業をやりたい」と「有機農業に興味がある」を合わせると93%になる。これらは農業従事者における若い世代は有機農業に意欲的であることを示している。
ハードルは高い。若い世代が有機農業の担い手になり、先に記した施策が生産者・流通業者・消費者の間で奏功すれば可能性はあるのか。5年先が気になるところである。
(主任研究員 末木 淳)