VOL.68 「7.6%」


 平成27年4月1日、東京都渋谷区は、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」を施行した。この条例に「LGBT(性的少数者)」の人権の尊重が謳われた。背景として、男性同性愛者ゲイ)や女性同性愛者(レズビアン)のテレビ番組への出演などによる、LGBTの社会的な認知と理解が進んでいる現状があるのではなかろうか。
 「電通ダイバーシティ・ラボ(以下「DDL」という。)」の全国インターネット調査(調査期間:2015年4月7日~8日、調査対象:20~59歳の個人69,989人)によるとDDL独自の「セクシュアリティマップ」をもとに、ストレート(異性愛者で、身体と心の性別が一致している人)セクシュアリティと答えた方以外をLGBT層と規定すると、LGBT層に該当する人は、全体の13人に1人で7.6%(2012年調査では5.2%)と算出された。あわせて、LGBT層の消費市場規模は約5.94兆円、うち国内旅行費は762億円とも算出された。日本人の国内旅行消費総額の約18.9兆円(H26年度)に比べると、この762億円は、 まだまだ拡大の余地がある。
 近年、国を挙げてのインバウンド観光客誘致への対応を進めているが、こうした動きとともに、例えば、県内温泉地での新たな国内観光客層の掘り起こしの一環として、LGBT層への魅力ある旅行地づくりへの検討も考えられる。
 周囲を山地に囲まれた”盆地”ならではの試みとして、山梨からの情報発信が出来ないものだろうか。

(主任研究員 相川 喜代弘)