VOL.70 「1%」
身延町が、町民を対象に町おこし事業(町民予算提案事業)のアイデアを募集している。町税の1%(約500万円)を活用して町おこしを進める事業として、採択されると翌年度以降に事業実施となる。この事業では、アイデアの提案者がそのまま事業の実施者となり、成果を求められることから、町民が自らの意思で直接的に町おこしに取り組む機会になるのである。また、アイデアを審査する側にも町民が入るので、採択についても町民の意見が色濃く反映されることになる。
この事業は、町民自らが自分の町に何が必要なのかを考える機会となり、町おこしの意識を芽生えさせることができるのではないだろうか。ちなみに、昨年度も行われており、前回は30件の応募があり、3件が採択されている。町民が実施から完了まで考えた30件の提案を得ることができたことは、この事業の大きな成果であるように思う。
採択された事業の一つである「身延町WAKAMONO大学の開催」は、身延町総合戦略にも盛り込まれている。身延町の若者が集まり、地域活性化について、自分達で考え、学び、実現する機会を作り、身延町内に住む若者の意識の向上、連携を強化し、また身延町が抱えている問題を掘り出し、解決する糸口とする為の事業となっている。
町民が事業を考え、審査し、実施する。この事業が大きな流れとなり、町民全体が町おこしを意識する日が来るかもしれない。
1%という数字が、町おこしに繋がる大きな数字になることを期待する。
(研究員 渡辺 和樹)