VOL.74 「大健闘4位とワースト2位」


 総務省消防庁の「消防団の組織概要等に関する調査結果(速報値)」によると、201641日現在の全国における消防団員数は約856,400人で前年度から約3,500人、率で0.4%の減少となった。
 一方、山梨県における消防団員数は15,178人で前年度比4人の増加となった。人口1人あたりの団員数は0.018人となり、山形県、佐賀県の0.023人、熊本県の0.019人に続き、福島県と並んで47都道府県中の上位4位と大健闘している。「無尽会(むじんかい)」などに見られる、地域の繋がりを大切にする山梨県人の姿が垣間見られ、大変、心強いものである。ちなみに、前年度比で消防団員数が増加した都道府県の数は、山梨県も含め12都府県であった。
 こうしたなか、女性の消防団員数は全国で約23,900人となり、前年度比1,100人、5.0%の増加となっている。全体に占める割合も約2.8%であり、人数及び比率とも年々増加している一方で、山梨県にあっては15,178人中の120人となり、全体に占める割合は0.8%で福島県の0.6%に続き、群馬県と並んで全国下位(ワースト)2位となった。
 また、女性団員がいない消防団17団の全体数27団体に占める割合は63.0%で、全国平均33.1%に比べて極端に高くなっており、女性の消防団参加に対する門戸開放が進んでいない現状が見てとれる。
 女性が活躍する地域社会への第一歩として、女性への消防団加入に対する積極的な声かけと、活動内容の見える化による安心の場づくりからの積極的な入隊を期待したい。

山梨総合研究所 主任研究員 相川 喜代弘