VOL.79 「9342%」
クラウドファンディングという言葉を聞くようになったのは1、2年前であるが、当時は自分には縁の無いものだと思っていた。しかし今、あるクラウドファンディングサイトに夢中になっている。それは「Makuake(マクアケ)」である。
ご存知の方も多いと思うが、クラウドファンディングとは、企業もしくは団体、個人がインターネットを介して不特定多数の人々から製品開発などの資金を募る仕組みを指し、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。一般的には、支援者に対するリターンによって、寄付型(リターンなし)、金融型(金銭的なリターンを伴う)、購入型(金銭以外の物品や権利
が得られる)に分けられる。
現在クラウドファンディングサイトは複数存在するが、私が「Makuake」を利用している理由は、「かゆいところに手が届く」製品が多いことだ。私が初めて支援をしたプロジェクトは、「Key-Quest(キークエスト)」という製品である。一見するとただの鍵に見えるが、栓抜き、マイナスドライバー、糸きりなど6つの機能を持った「鍵型ツール」である。
私は釣りを趣味としているが、ずぼらな性格のため、はさみを忘れたり、どこにしまったか分からずいらいらすることが多かった。また、日常でも、マイナスドライバーや栓抜きを使いたいが手元に無く、いらいらすることが多かった。「Key-Quest(キークエスト)」は鍵型であるため、車や家の鍵と一緒に持ち歩くことが出る。車や家の鍵は肌身離さずもっているため、いつでも直ぐに
使うことが出来る。まさに「かゆいところに手が届く製品」だった。また、これは先に述べた購入型のため、プロジェクトが成立すると、支援者は定価よりも安く、一般発売よりも早く手に入れることが出来るのも魅力であった。
「Makuake」では、支援金ランキングが掲載されているが、特に驚いたのが目標金額30万円に対して、集まった金額が28,027,500円と金額達成率「9342%」のプロジェクトがあることだ。残念ながらこのプロジェクトは支援金募集を終了しているが、私にとっても「かゆいところに手が届く」製品だった。「Makuake」を見たことの無い方は、一度ウェブサイトを見てみたらいかがだ
ろうか。もしかしたら、そこにはあなたをワクワクさせる「かゆいところに手が届く」製品が支援を待っているかもしれない。
山梨総合研究所 研究員 渡辺 和樹