VOL.81 「4%」


 読者の中でAEDの使用方法の研修を受けたことのある人はどのくらいいるだろうか。AEDはかつて医師しかその使用が認められていなかったが2004年7月からは一般の人も使えるようになり、学校、駅、コンビニといった多くの場所に設置されることとなった。また、設置してあるマップも多く作られるようになり、AED自体の普及は大いに進んだ一方で、使い方については、とまどう人も多いという。一般財団法人日本AED財団によると、心肺停止状態の人に対するAEDの使用率は4%に過ぎないという。
 日本経済新聞社によると、2016年で10回目の開催となる東京マラソンでは、過去に7人が心肺停止となったが全員が社会復帰を果たしたそうであり、その理由はAEDによる応急処置が決め手になったということである。また、開催前に東京マラソンに参加するランナーやボランティア向けにAEDの講習会が開かれ、約1000人がその操作方法や胸骨圧迫(マッサージ)を体験し、参加した女性の声として“AEDの手順がイメージできるようになった”とのことであった。
 日増しに暖かさを感じる今日この頃。スポーツやレジャーに外出する機会も多くなることと思われる。もしもの場に直面した時に勇気を持って行動できるように、様々な機会を捉えてのAED講習会が必要ではないだろうか。 【一般財団法人日本AED財団 HPより】

山梨総合研究所 主任研究員 相川 喜代弘