VOL.87 「54.22店」
9月29日は「クリーニングの日」。
クリーニング師が持つ技術の良さを消費者に理解してもらうため、全国クリーニング環境衛生同業組合連合会(現在は全国クリーニング生活衛生同業組合連合会)が、昭和57年に制定した。「ク(9)リーニ(2)ング(9)」という語呂合わせになっている。
クリーニングの日にちなみ、総務省統計局で実施した平成26年「経済センサス‐基礎調査」結果から、クリーニング店(普通洗濯業)の数を見ると、山梨県は、人口10万人あたり、“54.22店”と全国で3番目に店舗数が多い県であった。全国平均の44.5店と比較すると約10店舗も多く、山梨県の人口10万人あたりのコンビニ店舗数54.84店(経済産業省「商業動態統計」H29.7、山梨県「常住人口調査甲調査」H29.7)に匹敵する店舗数の多さである。上位10県には、福井県の55.95店を筆頭に、山形県(54.47店(2位))、秋田県(53.81店(4位))、青森県(53.75店(5位))、富山県(52.99店(7位))、石川県(50.52店(10位))など、東北・北陸地方が6県を占めている。この地域は、年間の降雪日数の多さや日照時間の短さなどが共通す
るが、日照時間が多い山梨県にクリーニング店が多いのはどうしてだろうか。きれい好きな方が多いからだろうか。それとも、高価な衣類や布団をお持ちの方が多いのだろうか?
クリーニング店の利用頻度・金額についての調査結果(日本政策金融公庫「クリーニングに関する消費者意識と経営実態調査」H27.1)からは、全年齢的に男性が女性に比べて利用頻度・金額ともに高く、特に50代以上の男性が、高い傾向が見えてくる。50代以上の男性は、自宅では洗濯がむずかしい高価なワイシャツやスーツ、ネクタイなどを身に付けている方が多いからだろうか。筆者もその年代に近づいてきているので、そろそろ、クリーニング店に洗濯をお願いするようなものを揃えていきたいと思った次第である(独断での購入はむずかしいが)。
生活に密着したクリーニングについての調査結果からは、様々なことが見えてくる。
日に日に秋も深まり、朝晩はだいぶ冷え込むようになってきた。衣替えの時期を迎え、気づけば、今年度も上半期が終わろうとしている。衣類や布団などをクリーニングして、気持ちを新たに、年度の後半戦に望みたいと思う。
山梨総合研究所 主任研究員 小林 雄樹