VOL.93 「英語大好き100%に向けて」


 去る1年前、文部科学省は「平成28年度英語教育実施状況調査」の結果を公表した。この調査は、英語教育の充実・改善のために各都道府県・市区町村の教育委員会及び全ての公立の小学校・中学校・高等学校を対象として、「求められる英語力を有する英語担当教員の割合」「求められる英語力を有する生徒の割合」「学習到達目標の整備状況」「生徒の授業における英語による言語活動時間の割合」などの実施状況を調査する内容となっている。
 これによると山梨県の「中学3年生の目標とする英語力の達成率(英検3級以上)」は30.1%で全国平均36.1%に比べて低く、全国順位で42番相当となっている。

 いくつかの原因が考えられると思うが、対応策として、まずは現状の生徒の英語能力のみえる化に向けて、生徒に求められる英語力を達成するための学習到達目標を「CAN-DOリスト」の形で具体的に設定し、その到達度を把握することが必要ではなかろうか。
 外国語の習得に向けては、現状の正確な把握と分析による「書くこと」「聞くこと」「話すこと」「読むこと」のバランスの良い授業が必要であり、従来の文法や和訳による授業も重要で無い訳はない。
 併せて、小学校からの一貫教育が不可欠であり、特に、ALT(外国語指導助手)をもっと活用して、外国語を好きになるような外国語活動や取り組みが重要ではなかろうか。

 地域における多文化共生の推進に向けて、次代を担う子どもたちがコミュニケーションツールとしての外国語への理解が深まることを期待したい。

山梨総合研究所 主任研究員 相川 喜代弘