VOL.105 「3×9=27」


 「三寒四温」、「暑さ寒さも彼岸まで」などと言われるが、ようやく過ごしやすい気候になり、各地からさくらの便りが届き始めている。
 甲府地方気象台は、327日、さくら(ソメイヨシノ)の開花を観測した。
 民間の気象会社「日本気象協会」では、今年の甲府のソメイヨシノの開花を322日と予想していたが、暖冬の影響や最近の寒の戻りなどもあり、予想どおりとはいかなかった。お花見の日程調整に翻弄されている方も多いのではないだろうか。

日本人にとってさくらは、期待や希望、喜び、はかなさ、さみしさなど様々な感情を抱かせてくれる特別な存在である。
 公益財団法人日本さくらの会では、わが国の歴史や文化、風土と深くかかわってきた「さくら」を通して、日本の自然や文化について、国民の関心を高めるため、平成4年(1992年)に327日を「さくらの日」と制定した。3×9(さくら)27の語呂合せと、七十二候のひとつ「桜始開[さくらはじめてひらく]」が重なる時期であることから、この日となったとのことである。

 この時期山梨では、さくらとともに、桃の花や菜の花、富士山、五重塔など、ピンクと黄色、緑、赤、青、白など色鮮やかで美しいコントラストも楽しめる。
 年度の変わり目のせわしい時期であるが、少し立ち止まって、さくらを愛でる時間を持ちたいものである。

山梨総合研究所 主任研究員 小林雄樹