家庭の働き方改革
毎日新聞No.541 【令和元年6月21日発行】
働き方改革が叫ばれる中、昨今RPAという言葉をよく耳にする。総務省のHPによるとRPAとは「ロボットによる業務自動化:Robotics Process Automation」と説明されている。ロボットやAIの発達により、様々な業界でRPAの導入が進んでいる。職場では導入が進んでいるRPAであるが、ここではRPAを活用した家庭の働き方改革を考えてみたい。
総務省の「労働力調査」によると、昭和55年には614万世帯であった共働き世帯は、平成29年には1,188万世帯と概ね倍増している。共働きの世帯が増加しているということは、家事にかけられる時間も減少していることが予想される。その中でも特に子育て世帯となると、家事にかけられる時間はさらに短くなり、負担が大きくなるだろう。そこでRPAを導入することで、この負担を軽減できると考えている。
家庭でRPAというと大げさに感じるかもしれないが、すでに使用している人もいると思う。ここでは筆者が昨年導入したロボット掃除機を紹介する。筆者の家庭では毎日掃除機をかけていたが、ロボット掃除機を導入して以降、週1回、部屋の端の部分に掃除機をかける程度に負担が軽減した。時間で考えると、毎日10分の掃除機がけが週10分に減少したため、単純計算で週1時間家事負担が軽減したことになる。またロボット掃除機の性能についても、テクノロジーの進歩はすさまじく、AIで掃除ルートを記憶しながら床全体を掃除していくため、朝起きたときには、床全体は非常にきれいになっている。これは一例であるが、他にも全自動洗濯乾燥機や食洗機などもRPAにつながると考えられる。自治体はこういった家電への購入補助を行うことで、子育て世帯や共働き世帯への支援が行えるのではないだろうか。このような家電を普及させることで、ぜひ家庭の働き方改革が進んでほしいと思う。
ただ、お父さんが一生懸命お小遣いをためて、高いロボット掃除機を購入し、家事負担軽減を進めても、「お父さんの家事負担分はそのロボットがやっているから、今以上にやらなくていい」という考え方は、筆者が感じるに、通用しない家庭もあるようだ。
(山梨総合研究所 研究員 小澤 陽介)