VOL.109 「2兆1,400億円」
今年は例年に比べ梅雨が長く、“夏”らしさを感じにくい日々が続いていたが、県内の小中学校も夏休みに入り、甲子園の代表校も決まり、いよいよ夏本番の季節を迎えている。県内の観光地にも、連日、世界各国、日本全国から多くの観光客が行楽に訪れている。
行楽といえば、今年のゴールデンウイークは、改元に伴い10連休となった。
10連休中には、普段行けない旅行や活動をされた方も多いのではないだろうか。
この10連休の経済効果を、関西大学の宮本勝浩名誉教授は、2兆1,395億 8,969万円と推計した。
クリスマスの経済効果が約7,000億円、山梨県の観光消費額(2017年)の経済波及効果が4,898億円と言われているので、今回の10連休の経済効果がいかに大きかったかが分かる。
先日、山梨県が発表した2019年4月の「宿泊旅行統計調査結果(速報値)」においても、県内の延べ宿泊者数が前年同月を20万8千人(30.8%)も上回る88万6千人(4月の宿泊者数としては過去最高)となるなど、10連休の恩恵がみられた。
一方で、宿泊者数の伸びに伴う観光消費額の伸びやその波及効果も気になるところである。
この先、本県関係では、ラグビーワールドカップやオリンピックの開催、中部横断自動車道の開通やリニア中央新幹線の開業など、大きなイベントがひかえている。
こうしたイベントの恩恵を少しでも多く、そして長く享受できるようにするために、各所における準備が期待される。
山梨総合研究所 主任研究員 小林雄樹