VOL.112 「11.4%」


 令和元年916日現在のマイナンバーカードの普及率(人口に対する交付枚数)は、山梨県では11.4%で、全国平均の14.0%を下回っている状況にある。これを年齢階級別に見ると、全国では7579歳が24.9%で最も高くなるなど高齢者で普及が進んでいる状況にあるが、高齢化が進む地方で普及率が高いのかというと、宮崎県の19.1%に続き、高齢化率が下から2番目の東京が18.7%で2位となっている。

 一方、県内の市町村でみると、小菅村が25.3%でトップで、全国の町村の順位でも10位となっており、最も低いのは南アルプス市の8.7%となっている。
 小菅村では、図書館でマイナンバーカードを利用して本を借りられるほか、マイナンバーカードを通じて様々なサービスを呼び出すための情報基盤「マイキープラットフォーム」を利用した「自治体ポイント制度」が導入されている。自治体ポイント制度は、市町村・都道府県単位で導入されているもので、協力会社となっているクレジットカード会社などのポイントからの交換や自治体活動への参加などにより自治体ポイントを取得でき、加盟する地域の商店やオンラインショップでの買い物に利用できる。

 国では、マイナンバーカードの普及促進のため、2020年度に、現在行われているキャッシュレス払いへの還元制度を引き継ぐ形で、新たに「マイナポイント」と名付けたポイント還元制度を実施することとしている。現在検討されているマイナポイントは、自治体ポイントとは異なり全国共通ということだが、いずれのポイント制度も、利用するためにはマイナンバーカードが必要となるほか、スマホなどを利用してマイキーIDの作成・登録が必要となる。
 この新たなポイント還元制度により、マイナンバーカードの普及率は一気に向上することが予想されるが、これまで普及に努力をしてきた自治体には敬意を払うとともに、マイナンバーカードを利用した行政サービスの更なる利便性の向上のための創意工夫をお願いしたい。

山梨総合研究所 主任研究員 伊藤賢造