カードコレクションを楽しもう!


毎日新聞No.554 【令和元年12月20日発行】

 カードコレクションの1つとして、公共で配布しているカードをご存知だろうか。ダムカード、名水百選カード、ジオカード、文化遺産カードやその他数多くのカードが全国各地で配布されている。これらのカードを集めるには、配布場所や時間を調べて実際に現地に行き、入手するというルールがあり、事前にしっかりと下調べをしていかないと残念な結果になることもある。

 このカードの1つに街中を歩けば必ずといっていいほど見ているはずだか、なかなか意識に残らない下水道のマンホール蓋を題材とした「マンホールカード」がある。日本のマンホール蓋のデザインは、設置した自治体等がその土地にゆかりのある名所、名物品、スポーツ、キャラクターなどを題材として製作しており、全国各地でデザインが異なっているご当地ものである。
 マンホール蓋のデザインは、高い芸術性と日本独特の文化でファンも多く、それをカード化したマンホールカードは、1214日に第11弾が発行され、これまでに502の自治体が605種類のカードを配布している。 

 山梨県内においても、甲斐市・中央市・上野原市・甲府市の4市がマンホールカードを配布している。その中で上野原市においては、山梨県の東玄関口という位置環境もあるが、訪れる人の約8割が県外で、北は北海道から南は沖縄まで全国各地から収集に訪れにくるそうである。また、県外からのコレクターの約9割が複数のマンホールカードを所有し、なかには一日で電車・バス等を乗り継ぎ、山梨県内のマンホールカードを全部貰うという行程を達成した人もいるとのことである。 

 公共配布のカードコレクションは、まず収集という目的を持って下調べをして計画を練り、そして現地を訪れ、肌でその地域の雰囲気を味わい、カードという宝物をゲットするちょっとした冒険を楽しめるものである。また、配布自治体は、当該事業に関する理解を広められるとともに、訪問者に地域の特色をアピールし、交流人口の増加も期待できる。
 みなさんが住んでいる近くにも、この多種多様なカードたちに出会える機会はあるはずである。思い立ったらぜひ、カードをゲットして、コレクションにチャレンジしてみてはいかがだろうか。

(山梨総合研究所 研究員 河野彰夫