VOL.124 県内の「910カ所」
地域で生産された農林水産物をその地域内において消費する地産地消の取り組みは、食料自給率[1]の向上や地域活性化、流通経費や二酸化炭素の削減等につながると言われ、農産物直売所はその重要な拠点の一つとされている。農林水産省「6次産業化総合調査(平成30年度)」によると、農産物直売所は全国で23,870カ所あり、年間総販売額は約1.1兆円にのぼる。ここ山梨県には、その約4%となる910カ所もの農産物直売所があるようだ。
ひとりの消費者として、農産物直売所は「わくわく」する場所である。顔は分からなくとも、自分の住む地域のどなたかが丹精込めて生産してくださった農産物が所狭しと置かれ、選ぶ楽しさ・喜びがそこにはある。特に、夏から秋にかけてはカラフルな野菜や果物が弾けんばかりの新鮮さで並び、季節を肌で感じられる場所になっている。
私は週末にしか行くことはできないが、開店前から長蛇の列ができ、その人気の高さがうかがえる。
今年は平年より11日ほど遅い梅雨明けや降水量の多さなど厳しい気象状況が続き、農作物を出荷するまでのご苦労は例年以上だったと想像する。そのようなご苦労の末に、私たちの元に届く農作物である。
食欲の秋。
さあ、農産物直売所などに足を運び、地元の食材をありがたく、そしてたくさんいただこう!
山梨総合研究所 主任研究員 山本直子
[1] 国の食料全体の供給に対する国内生産の割合を示す指標:品目別自給率= 国内生産量/国内消費仕向量= 国内生産量/ 国内生産量+輸入量-輸出量±在庫増減