VOL.128 220年ぶり
ある雑談の中で、220年ぶりに時代の大きな区切りを迎えたという話を聞いて以来、なんとなく気になっている。ご存じの方は多いのかもしれないが、調べてみると、占星術の世界では大きな時代のくくりとして「火・土・風・水」があり、18世紀の産業革命に端を発した「土の時代」が2020年12月に終わったということ、新しく始まった「風の時代」は、知性・情報・繋がり・思考が重視され、面白いもの・楽しいこと・美しさを見つける感受性とそれを表現していく知性を磨くことが求められる、ということであった。
220年ぶりという時代の大きな変化を前提に考えると、昨年から何となく感じている世の中の価値観の変化も気のせいではないのかもしれない。上を目指すことや増やすことを重視してきた「土の時代」が終わりを告げ、自分の感性を大切にし、固定化されていないことを尊ぶ「風の時代」になるのだとすれば、それは同時に一人一人が当事者意識をもって考える時代と言い換えることができそうである。このことは、去年からよく耳にする「afterコロナの社会」を考える大きなヒントにならないだろうか。
自分はどうしたいか、地域をどうしたいか、社会をどうしたいか、考えることはたくさんある。惰性で動いてきた当たり前が多いと、一つ一つ考えること自体が面倒に感じられるかもしれない。しかし、自分の想いに素直でいられるのだとしたら、理不尽な我慢を強いられるより、よっぽど健全な苦労のように思う。
自分はどう感じるか、どうしたいかをこれまで以上に考えるクセづけを今日から始めていこう。
(主任研究員 山本直子)