地域の豊かさを育む感性
毎日新聞No.689【令和7年5月11日発行】 筆者は現在、山梨県立大学で「地域の豊かさ」という授業を担当している。2022年に山梨総合研究所が出版した書籍『山梨ならではの豊かさ ~地方が注目される時代へ~』を教材に、 […]
街路樹から考える街の景観
山梨日日新聞No.63【令和7年4月28日発行】 甲府駅から南に延びる平和通りのケヤキも若葉を出し、すっかり新緑の季節である。しかし、通勤途中のとある道沿いの車の中から見かける街路樹は、いまだに葉や芽を出す気配がない。 […]
ドラマと地域
毎日新聞No.688【令和7年4月27日発行】 今年の冬に放送された富士山麓を舞台にしたドラマ「ホットスポット」の影響で、郡内地域の主要なロケ地が賑わいを見せている。たびたび登場する喫茶店は「聖地巡礼」を目的に県内外か […]
ゴルフ✕幸せ?
毎日新聞No.687【令和7年4月13日発行】 「ゴルフとは何か」と問われたとき、私は「幸せを生み出すスポーツ」だと実感を込めて答えたい。ゴルフは年齢を問わず楽しめるうえ、個人競技でありながら、他者との交流が自然に生ま […]
土地の持つ価値とは?
山梨日日新聞No.62【令和7年4月7日発行】 先月、令和7年度の公示地価が公表された。「公示地価」とは、国土交通省が毎年1月1日時点における標準地の価格を公表したものであり、土地取引に対する指標にもなっている。 基 […]
食品廃棄を減らす行動
毎日新聞No.686【令和7年3月30日発行】 皆さんは、普段、食品の「消費期限」や「賞味期限」を確認していますか。簡単に言えば、「消費期限」は「食べても安全な期限」、「賞味期限」は「おいしく食べることができる期限」だ […]
インフラ維持への心構え
山梨日日新聞No.61【令和7年3月24日発行】 先ごろ、埼玉県で道路が陥没し、トラックの転落や広域での下水道の大幅な利用制限という事態が発生した。インフラや公共施設の老朽化が進み、規模の大小はあれ同様の状況は日本各地 […]
病気を持つ人の就労
毎日新聞No.685【令和7年3月16日発行】 病気を抱える人が就職活動を行う際に、面接時などに持病のことを伝えるかどうかはとても悩ましい問題である。もちろん、本来は自分の病状を正確に伝え、働くうえで問題があるのか無い […]
難病患者の働き方
山梨日日新聞No.60【令和7年3月3日発行】 山梨県では、今年度から初めて難病患者を対象とした県職員の採用枠を設け、募集を行った。定員3人程度の枠に8名の応募があり、試験に合格した3名は来年度から県職員として働くこと […]
無理のない最初の一歩
毎日新聞No.684【令和7年3月2日発行】 いよいよ3月に入り、次第に暖かい気候へと移ろい始めた。これまでは外出を控えることが多かったと思うが、これからは気軽に外出する機会が増えるだろう。「外出してなにかしようと思う […]
幸せな働き方の近道は?
山梨日日新聞No.59【令和7年2月17日発行】 「幸せな働き方」とは何か。これは、多くの人が一度は考えたことがある問いではないでしょうか。近年、「ウェルビーイング」(Well-being)という概念が注目されています […]
環境福祉が目指す社会
毎日新聞No.683【令和7年2月16日発行】 皆さんは「環境福祉」と聞いてどのようなものを思い浮かべるだろうか。環境と福祉の分野を巡っては、2016年に厚生労働省が「地域住民や地域の多様な主体が参画し、世代や分野を超 […]
職場への土産選びが苦手な理由は?
毎日新聞No.682【令和7年2月2日発行】 私は職場への土産品選びが苦手だ。選んでいるうちに嫌気がさす。なぜなのか気になり「土産」について調べてみた。 『広辞苑第7版』(新村出編、岩波書店)によると、「土産」とは「 […]
若者のこころの健康は
山梨日日新聞No.58【令和7年1月27日発行】 本欄に1月13日付で掲載していただいた弊財団研究員の寄稿「山梨県民の幸せの形とは」では、県民の幸福度と精神的な健康の関係性について述べたが、実際の県民の精神的な健康状態 […]
伝統的酒造り
毎日新聞No.681【令和7年1月19日発行】 2024年12月、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に日本の「伝統的酒造り」の登録が発表された。日本酒、本格焼酎・泡盛など、杜氏・蔵人等がこうじ菌を用い、 […]
山梨県民の幸せの形とは
山梨日日新聞No.57【令和7年1月13日発行】 皆さんはウェルビーイングという言葉を聞いたことがあるだろうか。世界保健機関(WHO)によると、ウェルビーイングのことを「個人や社会の良い状態のことをいい、この状態は健康 […]
一(いち)スキーヤーの抱負
毎日新聞No.680【令和7年1月5日発行】 スキーファンが心待ちにしていた季節がやってきた。早速年末に長野に初滑りに行ってきたが、私と同世代を含む多くのスキーヤーが、久しぶりの雪の感触を楽しんでいた。 学生時代、ス […]
バス停が語る歴史
毎日新聞No.679【令和6年12月22日発行】 仕事で山梨県内の駅とバス停の数を調べることになったが、およそ2600あるバス停の名前をひとつずつ見ていくと、おもしろいものがたくさんあった。 バス停の名前の由来は、そ […]
宿泊税導入は必要か
山梨日日新聞No.56【令和6年12月16日発行】 近年、訪日外国人旅行者の増加と共にオーバーツーリズム(観光公害)が全国各地で問題となっており、トイレの不足やゴミ処理といったインフラ整備が急務となっている。 自治体 […]
健康ポイント事業×地方創生
毎日新聞No.678【令和6年12月8日発行】 2016年5月、厚生労働省が「個人の予防・健康づくりに向けたインセンティブを提供する取組に係るガイドライン」を発表しました。この指針を受け、全国の自治体や健康保険組合が、 […]
山梨初のコミュニティ財団
山梨日日新聞No.55【令和6年11月25日発行】 多くの県民の方は耳にしたことはないかもしれないが、全国には一般社団法人全国コミュニティ財団協会(以下「協会」という)とその会員となるコミュニティ財団が、北は北海道から […]
デッサンで学ぶ見る力
毎日新聞No.677【令和6年11月24日発行】 月に1回、東京都内で開催されるデッサン教室に通い始めて数カ月が経つ。現役のデザインディレクターやイラストレーターから指導を受けながら、6時間をかけてモチーフを描く濃密な […]
100年企業を目指す厳しくて温かい経営
山梨日日新聞No.54【令和6年11月11日発行】 今回は(公財)山梨総合研究所が、所属研究員の研修のため視察した株式会社土橋製作所(笛吹市)を通して、同社が掲げる「厳しくて温かい経営」について考えてみたい。 「温か […]
準備は念入りに
毎日新聞No.676【令和6年11月10日発行】 環境省によると、2024年の富士山の全登山道合計の登山者数は、開山日である7月1日から閉山日の9月10日までで約20万4千人であった。山梨県では近年、国内外の富士登山者 […]
飯田線の旅
毎日新聞No.675【令和6年10月31日発行】 9月の平日、休みを取りJR飯田線全線踏破に挑戦した。上諏訪駅から豊橋行きに乗り、単線の101の駅を各駅停車でつなぐ旅である。飯田市のような地方都市は通るが大半は過疎地域 […]
学びは人を豊かにするのか?
山梨日日新聞No.53【令和6年10月14日発行】 デジタル技術の発達により社会や仕事を取り巻く環境が変化する中で、社会人になっても就労と学びを繰り返す「リカレント教育」や、仕事の変化に伴い、新たに必要となる技術やスキ […]
初めての中東訪問
毎日新聞No.674【令和6年10月13日発行】 9月2日から8日までの日程で、山梨学院大学のゼミ生とオマーンの首都マスカットに行ってきた。初めての中東訪問の目的は異文化交流である。 今年のゼミのテーマは「チャレンジ […]
移住人気地の住宅問題
山梨日日新聞No.52【令和6年9月30日発行】 先ごろ、今年度の基準地価が発表された。7月1日時点の住宅地、商業地、工業地など全用途平均の地価は、全国では1.4%の上昇となったが、山梨県内は0.7%の下落となり、未だ […]
問われる民主主義のあり方
毎日新聞No.673【令和6年9月29日発行】 暑い夏から涼しい秋への季節の移り変わりがなかなかみられないところであるが、NHKの朝の連続ドラマは下半期の新番組に切りかわる。 今年度上半期のドラマは実際に存在した女性 […]
物流の2024年問題
山梨日日新聞No.51【令和6年9月16日発行】 2024年度に入って6カ月が経とうとしている。物流の「2024年問題」が取り上げられて久しいが、現状はどうなっているのだろうか。 2024年問題とは、働き方改革関連法 […]
難病患者の就労
毎日新聞No.672【令和6年9月15日発行】 山梨県では、令和6年度より難病患者を対象とした県職員の採用枠を設け、募集を開始した。定員3名程度の枠に8名の応募があり、秋以降試験が行われる予定となっている。この枠は、障 […]
親子で避難行動の共有を
毎日新聞No.671【令和6年9月1日発行】 防災の日の9月1日を含む、毎年8月30日から9月5日までの1週間は防災週間と位置付けられており、全国各地で防災訓練などが行われている。東日本大震災以来、地域や学校などで防災 […]
地域のお店の役割
山梨日日新聞No.50【令和6年8月26日発行】 ネットショッピングは、コロナの前からだいぶ浸透していたが、コロナ禍を経てすっかり生活に定着したといえる。いつでもどこでも、多種多様な商品を購入することができるし、サービ […]
災害への「不安」
毎日新聞No.670【令和6年8月21日発行】 8月8日に宮崎県で発生したマグニチュード7.1の地震を受けて、気象庁は南海トラフ巨大地震の発生可能性が高まったとして「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。 […]
城は無限の可能性
山梨日日新聞No.49-50【令和6年8月5日発行】 現在、城は観光資源としての価値を再評価され、多くの人々を引き付けている。2023年末に横浜で開催された国内最大級の城関係イベント「お城EXPO」には、2日間で来場者 […]
迫られる「官」意識の変革
毎日新聞No.669【令和6年8月4日発行】 夏の暑さが本格化する中、自治体職員の採用試験は、都道府県職員を対象とした前半戦が終わり、市区町村職員を募集する後半戦を迎えているが、自治体職員の採用には大きな問題が生じてい […]
事業者の合理的配慮とは
山梨日日新聞No.49【令和6年7月22日発行】 令和6年4月から改正障害者差別解消法が施行され、事業者による合理的配慮の提供が義務化された。ここでいう合理的配慮とは、障害のある人から意思表示があった際に、社会の中にあ […]
女性の社会進出と管理職の未来
毎日新聞No.668【令和6年7月21日発行】 1985年の男女雇用機会均等法成立から約40年が経過した。働く女性の数は大幅に増加し、2022年の就業構造基本調査によると、女性の有業率は全国で53.2%、山梨県で54. […]
女性活躍の鍵は何か
山梨日日新聞No.48【令和6年7月8日発行】 「女性活躍」と聞いて、みなさんはどんなイメージをもつだろうか。筆者がその言葉を聞いて真っ先に思いついたのは、「仕事に熱心な女性」であり、女性社長や女性管理職のイメージであ […]
ラジオのある生活
毎日新聞No.667【令和6年7月7日発行】 平日の朝、AMラジオを聴いている。社会人になってしばらくテレビを持たない生活を送り、現在は、テレビはあるものの毎日の生活の中で見る習慣はない。きっかけは忘れてしまったが、結 […]
管理職を目指さない意味
山梨日日新聞No.47【令和6年6月24日発行】 先日、大学の授業で、6月5日付け山梨日日新聞の記事『「管理職目指さない」55%』について議論した。これは、山梨県内企業に勤める正社員のうち6割近く、女性社員の7割以上が […]
ゴルフ×地域活性化
毎日新聞No.666【令和6年6月23日発行】 私は趣味としてゴルフを嗜んでおり、週末には妻と山梨県内のゴルフ場へ行くのが日課となっている。目標はコースを戦略的に攻略し、良いスコアを出すこととであるが思うようにはいかな […]
同窓会に参加しよう
毎日新聞No.665【令和6年6月9日発行】 皆さんは、学生時代の同窓会に出席していますか。 都会と比べて地域への帰属意識の強い地方では、学生時代のつながりが重視される傾向にある。仕事での面談や、何かの縁で隣同士の席 […]
自動化と心の豊かさ
山梨日日新聞No.46【令和6年6月2日発行】 飲食店などで、配膳ロボットが食事を運んでくれる。セルフレジの導入によりスムーズな会計ができる。導入率はまだ少ないと思われるが、山梨県内でもこのような光景を日常的に目にする […]
健康寿命の行方
毎日新聞No.664【令和6年5月26日発行】 筆者は現在、山梨県立大学で「地域の豊かさ」という授業を担当している。この授業では、山梨総合研究所が「ぎょうせい」より出版した書籍「山梨ならではの豊かさ」の内容が議論されて […]
VUCA時代の人材育成
山梨日日新聞No.45【令和6年5月20日発行】 今年4月、将来的に消滅する可能性がある自治体を指す744の「消滅可能性都市」を「人口戦略会議」が発表し、世の中をざわつかせた。消滅可能性都市とは、2020年から50年ま […]
こどもと考える社会
毎日新聞No.663【令和6年5月12日発行】 こども施策を社会全体で総合的かつ強力に推進していくための包括的な法律として、2023年4月、「こども基本法」が施行された。同12月には、こども基本法の基本理念にのっとり、 […]
若手自治体職員の早期退職
山梨日日新聞No.44【令和6年4月29日発行】 新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類感染症に移行して来月で1年を迎える。 今般のコロナ禍という“非平時”への対応は、全国の自治体において、それ以前から進めてきた […]
「合理的配慮」とは
毎日新聞No.662【令和6年4月28日発行】 令和6年4月より改正障害者差別解消法が施行され、事業者に対して、障害者への合理的配慮の提供が「義務化」された。3月には、車いすユーザーが映画館で従業員に介助を依頼し、断ら […]
買物弱者の現状
毎日新聞No.661【令和6年4月14日発行】 全国では、人口減少や少子高齢化等を背景とした、地域交通の弱体化などの理由により、日常の買物機会が十分に提供されない人々、いわゆる「買物弱者」の問題が取りざたされている。こ […]