ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

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概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

98山梨県が誇れるものは、富士山、南アルプス、八ヶ岳をはじめとする自然環境及び自然と共生する県民の生活スタイル・価値観である。歴代の県知事も県政のスローガンは少し変わるものの「環境首都やまなし」の実現を目指してきた。今、ブームになっている国際観光も、山梨の自然環境なくして語ることはできない。この10年間を振り返ると、第1の出来事として2008 年のリーマンショックによる世界連鎖的な金融危機があった。オバマ政権は「グリーン・ニューディール」、日本では「グリーン・イノベーション」を標榜して、低炭素・環境産業による成長戦略を追求。各国でスマートグリッド、スマートシティなどの実験に着手した。第2に2011 年の「福島原発事故」後には国内外で脱原発が叫ばれ、日本では電力買取制度による再生可能エネルギー導入の加速化、電力の自由化が始まった。第3が「デジタル革命」というべきもので、2011 年ごろから工場のスマート化や工場間の設備をネットワーク化する「インダストリー4.0」、「IoT」、「ロボット革命」に注目が集り、産業界では自らの技術を活かすため、他社との共同開発を模索している。また、デジタル化は産業ばかりでなく、私たちの労働、生活全般を変革するとの予想もある。第4は自然災害の頻発である。昨今の記録的豪雨や大型台風は海水温の上昇によるものとされ、温暖化対策や減災対策が待ったなしとなった。今後、世界各国で、これら課題解決に向けての取り組みが進展する。県内においても、生活・産業・行政等の様々な分野で改革が求められることになろう。山梨環境首都憲章には環境と共生する持続的社会のあり方が明示されている。ぶれることなく、これを基本とした産官学そして県民の具体的な取り組みが求められる。「環境首都やまなし」の具体化を山梨総合研究所 調査研究部長 中田 裕久山梨総研に戻ってきて3年10ヵ月。創立当初4年在籍していたので、既に8年近くここで仕事をしている。山梨総研は、プロパー職員と出向・派遣職員で構成されている。プロパー職員の出身元は、設計会社、大学院など、また、出向・派遣職員の出向・派遣元は、山梨県、市町村、金融機関、マスコミ、人材派遣会社である。私は金融機関の出身である。金融機関の職員は、中途採用者が増えてきたとはいえ、新卒採用者もしくは一時職場を離れた元職員(既婚女性)が大半であり、いわば、確立された企業風土で仕事をしてきた。でも、山梨総研は、対照的に、様々な「企業風土」を持った人たちの集まりである。職員は、みな、優秀な人材である。出向者OBには、企業トップをはじめ、多くの管理職を輩出しており、責任感溢れる逸材ばかりである。ただし、束ねる立場は大変である。職員の「常識」が違う。育ってきた風土が違うため、判断基準が違うのである。影響を与えるさまざまな要素を勘案しなから最善の選択を探るという論理までは職員皆同じ考えなのであるが、各々の要素の重要度、要素の評価の方向性がまちまちのため、私の判断が必ずしも賛同を得るとは限らない。これまで体得してきた判断基準が普遍とは限らないということは頭では分かっていても、心で納得するのは容易ではない。「正解は必ずしも一つではなく、相手との意見の違いの存在を認めたうえで、妥協点を探る」ということが交渉においては大切だと聞いたことがあるが、経営のかじ取りも同じだろう。自己としては総研の強みである多様性の価値を認めてきたことにより的確な総研のかじ取りができてきた、と考えたいが、どうだろうか。多様性に価値を見出す山梨総合研究所 専務理事 村田 俊也