ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

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概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

20th Anniversary21仕事柄、測量は身近な業務の一つでありますが、その道具である計測機器は近年、飛躍的な進化を遂げています。20 年前の学生の頃に習った作業方法など、現在の現場ではほとんど使われていません。そうした測量の計測技術の中で、測量会社だけでなく多くの人々の生活の一部として無くてはならなくなったものがあります。GPS測量です。米国のGPS衛星を利用した位置を知るための測量ですが、スマートホンやタブレットなどの通信機器の進化・普及によって、目的地へのナビゲーションをはじめとする地理空間情報サービスが市民の生活の中でも身近なものになったのではないでしょうか。山梨総研20 周年イヤーは、GPS 測量においても新たな時代へ突入する変革の年と重なりました。近年、米国の設備に頼らず自国の測位衛星(位置情報を知る際に用いる人工衛星)を持つ国が増えており、これらの測位システムを総称してGNSS(GlobalNavigation Satellite System:全地球測位衛星システム)と言います。我が国でも日本版GPS衛星「みちびき」と呼ばれる測位衛星「準天頂衛星」が、今年3機打ち上げられます。2010 年に試験的に打ち上げられた1号機と併せて4機の測位衛星が日本から常に見える位置を航行するようになり、2023 年には更に3機を打上げ、7機体制を目指すそうです。これにより、測位精度が格段に向上し、これまでの米国のGPS だけでは10m 程もあった観測誤差は数cm程度にまで小さくなります。このように、観測機器の性能向上や新技術の開発は、測量という仕事がこれまで求められた仕事そのものを変えています。これまでは限られた観測結果から如何に地形情報を読み取り図面にしていくかが大事な仕事でしたが、これからは観測・製図という‘作業’をサービスとして提供するだけでなく、進化した機器を駆使してこれまで測れなかったものを観測し、そこから読み取れる情報を‘具体的な新しい価値’にして提供していくことが仕事になるのです。伝統的な技法そのものが価値である仕事は別として、世の中の多くの仕事は、過去の仕事の仕方に捕らわれすぎていると、社会の変化が見えなくなり、作業が目的になってしまいます。変化は否応なしに訪れるので、私たちはいつもその変化がもたらす未来に求められるものを感じとり、具体的な仕事にしながら生活していかねばなりません。人口減少や国民総生産の減少など、“減る”という基準の中で前向きな未来を予測し方向性を示さねばならない状況下では、シンクタンクが扱う仕事もまた、我々の測量のように、パラダイムシフトの真っ只中にいるように思います。インターネットやAIという一人の人間が持つ処理能力を遙かにしのぐツールが簡単に使える社会においては、‘think’ ではなく‘Do’こそが求められていると感じます。山梨総研のホームページには、新聞に寄稿された研究所の皆さんのレポートが掲載されています。1998 年、早川源さんが記された第1号の記事には、すでに「山梨総研はdo tank の機能を重視したい」と書かれていました。地域のシンクタンクとして、変化する山梨の新しい価値づくりを導いて欲しいと思います。期待しております、山梨総研!山梨の「みちびき」となれ、山梨総研株式会社ハヤテ・コンサルタント 代表取締役社長 石井 敬康