ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

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概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

20th Anniversary31我社のワイン造り丸藤葡萄酒工業株式会社 代表取締役 大村 春夫私共のワイナリーはお陰様で本年創業127 年目を迎えました。高祖父の時代から細々とワイン造りを続けております。今の様にワインが売れる時代ではなく、市場に出荷できない形の悪いぶどう等で生活の為にワインを造っていたと聞いております。私が子供の頃はまだまだぶどうだけでなく桃やさくらんぼ、柿や梨など色々な果物を栽培しておりました。大村家は幸い纏まった土地があったため、いち早くワイン醸造も手掛けたようです。甘口のお土産ワインが主流だった頃、得意先のレストランのシェフから、今回送ってきたワインは俺の料理に合わないとの電話。そこからそのシェフが私の頭の中で仮想敵になり、何とかシェフの鼻をあかさねばと思い、ひたすら辛口のワインにのめりこんで行きました。昭和49 年~50 年にかけて国税庁の醸造試験所、通称滝野川でワインの勉強をさせて頂きました。その時代ワインの消費量は国民一人当たり200ml、牛乳瓶1本の時代。朝夕、乗り換えの為、利用していた新宿駅の地下通路で多くの人とすれ違う度にこの人達がハーフ瓶の1本も飲んでくれればなあと滝野川に通いながら毎日思っておりました。昭和49 年が第1次ワインブーム、今は第7次ワインブームと言われ、国民一人当たり3.5?ほどまで増えてまいりました。生活の為のワイン造りから美味しいワイン造りへとシフトして来ました。多くのワイン造りの先輩達の努力のお陰かと思います。大手メーカーの日本にワインを根づかせようとした功績がやっと実を結んだ結果だと思います。中小の我々はワイン酒造組合や勝沼ワイナリーズクラブ等に参加し、新酒祭りや勉強会、農家との交流会など行ってきました。私共のワイナリー単独では30 年前、ワインが未だそんなに売れない時代から蔵からの情報発信という事で「蔵コン」と言うイヴェントを始めました。隣町一宮町の桃の花がきれいに咲く頃に合わせ、前年に醸したワインを振る舞い、蔵の中で音楽を楽しんで頂くイヴェントです。人に来てもらいたいからワイナリーもきれいにしなければと見学者通路も整備したり売店で気持ちよくテイスティングして頂く為に整備したりギャラリーなども設けワイナリーの歴史やワイン文化なども発信しております。今ではワインツーリズムなども盛んですが、ワイナリー独自でも畑やワイナリーの案内、ゲストルームでの高価なワインも含め7種類ほどの有料でワインテイスティングを楽しんで頂いております。2時間ほどのワイナリーツアーで10 名様位でお申し込み頂いております。ワイナリーの使命は美味しいワインを造る事、それが最大のまちづくりに繋がると信じて居りますので、今後も美味しいワイン造りへの様々な努力は厭わないつもりで居ります。皆さんどうか今後とも日本ワインを応援頂きたいと思います。