ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

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概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

36富士山と富士五湖をはじめとする富士北麓地域は、富士山五合目の年間入込客数が平成28 年(2016)約400 万人と富士五湖全体で同年約800 万人という中心的高価値資源があることに加えて、小規模な自然・歴史文化資源の集積が魅力となっています。また甲府盆地は、年間入込客数が峡東と峡中とそれぞれ平成28 年(2016)で約500 万人です。盆地は果実郷と市街地の広がる中に寺社や美術館など文化施設が点在しています。両地域は広大な裾野の森林と湖沼および盆地の市街地と農地の広がりをベースに、点在する多種多様な観光地の魅力から成り立っているのが特徴です。眺望は人々が共通に感動する普遍的な形式の一つです。そこで、山梨の雄大な地形的特徴を生かす「山麓や盆地の展望」を魅力資源として強化することを提案したいと思います。富士山の眺望を生かす展望台の開発としては、峠や山頂からの眺望点として、旧道御坂峠の天下茶屋は典型で富岳三十六景にも描かれた名風景です。しかし旧道は冬季閉鎖など道路事情も悪く、新道の富士見橋展望台での茶屋と駐車場の整備などの強化を提案したいところです。同様の展望地は周辺にも、山中湖のパノラマ台、本栖湖の中ノ倉峠などがあります。静岡県の箱根の乙女峠のふじみ茶屋は先進例で、御殿場の市街地を眼下に見下ろし富士山が聳える感動的な風景ですが、駐車場は整備されていますが、展望場所の整備が十分ではありません。裾野を見降ろさずに、平地から前景の湖や草原などを越えて富士山を望む展望地は数多くあります。富士吉田の新倉山浅間公園は富士と桜と五重塔(忠霊塔)の組み合わせで有名です。湖岸では、河口湖産屋ケ埼の温泉、河口湖大石公園のラベンダー、精進湖の子抱富士、西湖いやしの里根場の茅葺民家群、山中湖岸のきらら、山中湖花の都公園、河口湖ステラシアターなど、眺望に花壇や歴史文化の魅力を加えた観光地がつくられています。甲府盆地の眺望を生かす峠や丘からの展望台の開発では、武田の杜や和田峠みはらし広場からの甲府市街地と富士、笛吹川フルーツ公園からの盆地と桃畑、ほったらかし温泉からの峡東の盆地、勝沼ぶどうの丘からのブドウと桃畑、釈迦堂遺跡からの桃畑、八代ふるさと公園から、みたまの湯から、そして南アルプス市県民の森からの甲府盆地などがあります。一方甲府盆地へ峠を越えて入る典型的な精進湖線や御坂道路がありますが、これらの道路からの良い展望地がまだありません。甲府から北杜市方面へ行きますと盆地だけでなく、北方に八ヶ岳、西方に南アルプスも望める好展望地があり、銀河鉄道展望公園なども魅力的です。しかし現状ではこれらの眺望地の展望台は必ずしも十分満足できる環境が整備されているとはいえません。このような山梨らしい基盤的な地形を生かした展望地とその近辺の交通施設を改善し、文学や歴史、社寺、花、食などの文化的彩を添えることで山梨らしい観光の基盤形成になるものと考えられます。山梨らしい眺望を生かした観光地づくりへ向けて山梨大学地域未来創造センター センター長 北村 眞一写真 御坂峠の富士見橋展望台からの富士