ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

ページ
66/110

このページは 山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌 の電子ブックに掲載されている66ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

20th Anniversary61山梨総合研究所の創立20 周年、誠におめでとうございます。この度の執筆の機会、また、日ごろのジェトロ山梨へのご指導・ご鞭撻に対し、改めて御礼申し上げます。ジェトロ山梨は2013 年に設置され、今年で5年を迎えます。その間、県内企業や関係経済団体の海外販路拡大への関心が高まっており、事務所への貿易投資相談社数は、2013 年度からの累計で1,754社(延べ)に上ります。県内企業の海外販路拡大が、ひいては山梨県の活性化につながることから、ジェトロ山梨は、個別企業のご支援に加え、県や業界団体と連携し「地域」としての取り組みも並行して行い、相乗効果を目指しています。その結果、グループとしての取り組みが、個別企業の強化につながる例も出ています。例えば、機械電子産業は、過去3年、県、やまなし産業支援機構とタイ下請産業振興協会と連携し、タイ企業と山梨企業との地域間交流(RIT)事業を行ってきました。当初は、タイ企業とのミスマッチなどにより、商談が思うほど進みませんでしたが、グループ内研究会で各社の成功・失敗・悩みなどを共有した結果、具体的ニーズが明確になり、タイ企業のみならず、山梨県企業間の新規取引獲得につながりました。このほか、近年、高機能部品やユニークな製品、周辺サービスなどを欧米市場に挑戦する例も出ており、県内企業の底力を感じます。特産品の海外展開への動きも積極的です。織物は、イタリアの展示会出展から、トレンド誌への産地生地の紹介など、県や組合等が中心に取組む一方、個別企業には、ジェトロ等専門家が支援をし、その結果、企業が商社を介さず、直接、外国バイヤーと商談を行うまでに至っており、本格的な受注も出ています。また、ジュエリーは、香港の展示商談会における販売に加え、業界としてタイ市場の模索もはじめました。しかし、ファッション分野は、流行の移り変わりが激しく、自社の品質等を提示する「プロダクトアウト」のアプローチから、流行や海外ニーズに応じた、「マーケットイン」への対応が求められます。今後、中長期的な取引確保に向け、品質、機能性などの強みを提示しつつ、海外トレンドの把握と提案力強化などが課題となります。ワインや日本酒も業界団体と連携した、ブランド展開及び販売への取り組みが行われています。ワインは、Koshu of Japan(KOJ)による情報発信活動と、国際的なコンクールでの受賞などにより、一定の評価を受け始めており、知名度が向上しています。日本酒は、組合のベトナムなどへのセールスが行われています。今後、展示会や高級レストランなどへの販路開拓において、山梨ワインの特性、または富士山や南アルプスなどの深い山々の良質な水や、水から得られる味わいなど山梨県の豊かな自然と組み合わせることで、ブランドが強みを発揮すると考えています。農林水産物・食品は、県を代表する桃・ぶどうなどの果実が海外でも高評価を得、輸出額が増加しているほか、加工食品の海外展開の動きも出始めています。一方で、他県産に比べ、山梨県産の統一パッケージやブランド展開の遅れを心配する声もあります。海外においては、「日本産」であっても個別のブランドがあると認知度やリピーターの獲得に役立ちます。さらに、近年は、アジア等、主要輸出市場において、国際規格(グローバルGAP等)の取得を求める動きなどがあり、新たな対応が求められています。個別企業の取組に加え、さらに「面」での取組を推進することで、今後20 年、30 年と山梨の活性化に貢献できるよう、業界内・業界間企業を海外とつなぐとともに、新たな分野として、外国資本や人材の取り込みを行いたいと考えています。今後ともよろしくお願いします。山梨の地域活性化とジェトロの取り組み日本貿易振興機構(ジェトロ)山梨貿易情報センター 所長 橋本 文子