ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

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概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

66公益財団法人山梨総合研究所の創立20周年をお祝い申し上げます。また、これまで経済・環境・教育・文化・福祉などの幅広い分野の調査研究をはじめとして、情報の収集と提供、セミナー等を通じた人材育成などに永年にわたり取り組み、本県の地域社会に大きな貢献をされてきたことに対しまして深甚なる敬意を表します。本県は、昭和57年に中央自動車道の勝沼IC―甲府昭和IC間が開通したことを契機に、大手製造業の県内進出が加速し機械電子産業が成長を遂げ製造品出荷額の伸び率日本一が連続するなど、産業構造が大きく変化し、現在の経済的な基盤が形成されました。また最近では、「移住したい都道府県ランキング」で本県が連続して上位を占めるなど、首都圏の居住者からの人気が高まっています。週末の中央自動車道の混雑や渋滞などからも、県内への人の移動の増加が窺えますが、富士北麓や八ヶ岳南麓には中高年に加え若い年代層の定住者も増え始めており、農業や6次産業化で独自の事業活動に取り組む人材も増えています。一方、本県では長期間にわたって人口転出超過の状態が続いています。転出者の60%が東京・神奈川・埼玉をはじめとする関東圏へ転出しており、転出理由も10代後半は県外への就学、20代前半では県外への就職、20代後半からは県外への転勤が大きな理由となっています。本県の経済力や社会基盤を維持していくための人口減少対策として、首都圏へ転出指向のある若年者層をどのように県内に留めるか、あるいは首都圏にいる本県出身の若年者層をどのように呼び戻すのかが、非常に重要な課題となっています。本県は山に囲まれ鉄道と幹線道路のみで外部につながっているという地理的特性から、首都圏に隣接していながらも大都市圏の激しい経済競争に巻き込まれないという側面を持つ一方で、関東圏の好景気の恩恵にも浴しにくい傾向があると感じます。そのため、本県は関東圏にありながら周辺都県とは異なった独自の産業構造や風土を形成してきたと考えています。これまで山梨総研が行ってきた地域や産業に関する様々な調査研究、情報提供や政策提言は、独自の存立環境にある本県の現状や将来像を考えていく上で重要な方向性を示すものが数多くありました。現在、国では大都市圏への一極集中を是正し日本全体の活力向上を目指すための「地方創生事業」に取り組んでいます。本格的な人口減少社会に移行した我が国の中で、各自治体が存亡を賭けて創意工夫と実行力を競い合う時代が到来しており、本県の独自性を活かした発展の方向を見定める必要に迫られています。こうした状況下で、県内唯一の地域シンクタンクであり、地域とともに歩む山梨総研の「地域から未来を考える」という活動が、本県の未来にとって重要な標を指し示していただけるものと確信し、今後の活動が一層充実されますことをご期待申し上げます。山梨独自の発展のために、山梨総研への期待山梨県中小企業団体中央会 会長 細田 幸次