ブックタイトル山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

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概要

山梨発の地方創生に向けて 公益財団法人山梨総合研究所 創立20周年記念誌

20th Anniversary69官民協働の鍵は、人としての美意識を共有することだと強く感じている。協働には、「複数の主体が、何らかの目標を共有し、ともに力を合わせて活動すること」という意味がある。この「何らかの目標」の具体的な内容が、力を合わせられるかどうかに強く影響する。大学時代の恩師は、電通(今、世間をにぎわせているが…)のマーケティング部門トヨタチームを率いていた人だった。彼からゼミ初日に言われたことは、今でも忘れることなく、鮮明に覚えている。「自分が日常生活を送る中で、気になったもの、心に引っかかったものが、なぜ引っかかったのかを考える癖をつけるように」、「自分の心に触れた言葉や映像などが、自分の心のどこに触れたのか。そのように、自分の記憶を辿る習慣を身に付けるには1年かかるので、今から取り組むように」ということだった。それからは、テレビのCMを見ても、町の看板を見ても、他人の講演を聴いても、そうしたことを考える癖がしっかり身についた。心に触れるCMや広告を作るには、人がどんなことで喜び、どんなことで涙を流すかを知っていなければならないということを、改めて振り返ることができた。そんな私も、25 歳で保育園園長という役割を担うことになった。現在までの10年間を振り返ると、後になって響いてくる言葉がいくつもある。その一つに、大通りの角地にある駐車場の花壇を整備し始めたとき、当時の自治会長さんに言われた「角地だから、見通しが悪くなると、車や歩行者の事故が増えるかもしれない。だから、配慮してほしい」ということがある。もう一つ、歩道の雪掻きでは、「日中解けて、それが夜に凍ると歩行者が滑るから、雪は歩道の低いところへ寄せるように」という言葉もある。生活をしていくと、「なるほどな」とじわじわ心に響いてくる。その中で、心に引っかかっているものがある。甲府市里吉にある里吉団地の西側の道を和戸バイパスに(善光寺の方向へ)向かって車を走らせると見える、山の中にあるソーラーパネルである。このことを思い出すとき、花壇や歩道の雪掻きのことが頭の中に浮かぶ。人の記憶というものが、実に面白いと感じる瞬間でもある。人としての美意識とは何か。その当時の自治会長さんに教えてもらったような「互いの心の中に感じながら生きる生き方」だと、強く感じている。自分さえ良ければという価値観が多くなり、人としての美意識に心から共感することが少なくなった。その中でも輝いているものこそ、地方創生、官民協働の鍵であると考える。人の内面にある美意識にどうアプローチし、共感の輪をどう広げていくかということである。欧州の町並みのように屋根の色を統一して美しい景観を作ることは難しくても、地域に住む人の心の色を統一できるようなものは何か。職業柄か、いつも子どものために自分ができることを考えてしまう。「子どもは宝」を本当に実現するため、まずは自分に与えられた限られた時間を使い切ることから始めたい。山梨で地方創生をどう進めていくべきか 社会福祉法人ゆうゆう すみよし愛児園 理事長 矢巻 行祥?人としての美意識の   共感でよっちゃばる?